お菓子はスーパーで買ってくれば良い・・・

 

そう思っていた私がお菓子作りを始めたきっかけは、長男のアトピーでした。
現在では、アトピーという病名は一般的ですが、平成になりたての頃は認知度が低く、病院でその病名を初めて聞いたとき、「アトピー?かわいい名前!」と思っていました。
 
病院に行けばアトピーをなんとかしてもらえる思っていましたが、現実はそんなに甘くありませんでした。
良くなるどころが、日に日にひどくなり、息子は全身のかゆみに耐え切れず掻き続け、見るに耐えない皮膚になっていきました。
わたしは、涙を流しながら毎日毎日、かゆみを抑える薬を塗ってあげていました。

 

息子と外出すると、「あれ!? なんちゅう肌しとんねん。病院につれてったらな あかんやん」とまるで私が虐待しているような目で見られたことも一度や二度ではありません。 
 
誰にも相談できませんでした・・・
私は外出を極力控えるようになり、砂漠の真ん中に放り出されたかのように途方に暮れ孤独でした・・・

この苦しみから逃げたい

いっそ息子と二人で・・・と頭をよぎります。

  

転機と決意

 

  

そんなある日のことでした。

たまたま立ち寄った本屋でアトピーについてかかれている本をみつけ、藁をもつかむ思いで購入し何度も何度も読み返しました。

その本によると、アトピーは 食品、主に卵、牛乳、バターなどが原因で発症する可能性があると書かれていました。

今まで思いもよらなかったことを知った私は決意しました。

 

「誰にも頼らず、絶対に 息子のアトピーを治す」

  

ダニが原因の可能性もある、とも書かれていたので徹底的に家の掃除を始めます。

そして食事も外食や出来合いのものは避け、素材に気を使い全て家庭で作るものを食べさせました。

ところが、困ったことが起きたのです。

それは通わせることになった幼稚園で出てくるおやつが市販のものだったんです。

幼稚園の先生に相談すると・・・「持参させてください」と一言・・・

 

一人だけ違うお菓子・・・  

やもすると、息子がお菓子のことで嫌な思いをするかもしれない・・・

これには頭を抱えました。
 
卵、牛乳、バターを使わないお菓子は試行錯誤の結果、少しずつおいしいものを作れるようになってはいましたが、外観がいまいちなんです。
そして悩んだ末たどり着いた結論は
「息子の友達がうらやましくなる様なお菓子を作ろう!」
でした。
試行錯誤の末やっとのことで納得できるものが完成し今に至ります。
今でも息子は完治していませんが、日常生活に支障が全くないほど改善しました。
当初の私は冒頭でお伝えした通りお菓子作りに全く興味のない人間でしたが、息子のアトピーのおかげでお菓子作りが楽しくなり、いろんなお菓子を自由に楽しく作りつづけ、多くの方に食べてもらいたいという思いから「うたしあ」をやっています。 

 

これまでの人生で、母をガンで亡くしたり、地獄のように感じた日もあったなかで、大事にしている4つの言葉があります。

それが「うたしあ」の由来になっている次の言葉です。

 

れしい

のしい

あわせ

りがとう